たけなかさんはなんでも屋

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音圧と音量のお話。

      2016/06/15

先日のお話

先日、いつもお世話になっている吹奏楽などのイベントのDVDを制作している会社さんからこんなお仕事が舞い込んできた。

『天釣りのマイクのラインがうまく入力できてなかったので、バックアップで録っていたハンディーレコーダーの音を使うしかない状況なのだが、いかんせん音がよくないので何とかしてほしい。』

なるほど、よくある事故である。
普段は編集や撮影お仕事をよく頂いていたのだが、確かに音の運用に関しては疑問を感じる部分が多い会社ではあったが、さすがにラインがまるっと使えないなんて事態は想定外だったに違いない。
録れている音の状況によって出来上がりには限界があることを伝えた上でお仕事を請け負うことになりました。

やり取りをしていく中で、今後の対策とこの作業を何とか映像制作ソフトのみで行うことができないか?など非常に建設的な話し合いができました。
その過程でちょっとしたミックスネタやマスタリングネタ。映像屋さんから見た音の質問を受けたので、今回はその中でも音圧と音量について話して行きたいと思う。

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そもそもの違い

よく、雑誌やWebページでは『音圧は目に見えるもの』とか書いてあることが多い。確かに言葉だけで説明するとすごく特徴的に音圧をとらえていて、なお且つ一言で済む魔法の表現方法だと思うが映像屋や一般の方がピンと来るかどうかは別の話だ。

私たちがCDを聞いたときや、DVDを観た時に音の大きさを感じるには大きく分けて3つの音量が存在する。(厳密には音量と言う表現は適さないかも?)

01.CDやDVDなど入力ソースの音量
02.CDコンポやiPodなどプレーヤーの音量
03.私たち人間の耳が感じ取れる音量(感度)

ざっくりとだが、01を音圧、02を音量、03を視聴音量なんて言う。

無題
今回お願いされたハンディーに収録された音源データの一部がA。マスタリング後のデータの一部がB。音圧が目に見えるものと言うのは波形を見た時のことだ。

よくミックスやマスタリングの議論で『音圧を稼ぎ過ぎるのはよくない』とか様々なことが言われがちだが、私個人の意見を言わせてもらえば・・・

『ぶっちゃけ好きにすればいいと思うけど、なるべく違和感なく音圧を稼げるようになってからそういうの言い出さないとカッコ悪いと思う。』

自分のできないことを棚に上げて否定的になるのは非常にカッコ悪い。

音圧を稼ぐ理由

音圧なんて稼がなくていい派の方はおそらく、いいアンプやスピーカーを利用していて、いくらでも音量の出せる環境のお持ちの方で、コンサートのレコードや好きな1曲を遠泳と聞いている方、または1曲ごとにいちいち音量の調整を行うのが面倒じゃないオーディオマニアなんだと思います。

確かに、その様な環境であればそもそも音圧なんて稼ぐ必要ありません。素晴らしい環境をお持ちです。純粋にうらやましい。

しかし、昨今の音楽事情では様々なアーティストやポッドキャストなど、なんでもかんでもiPodなどの電子機器にデータとしてインポートしシャッフル再生される可能性があるため、他の曲と聴き比べた時に調和がとれるような音圧や質感の調整が必須になるのです。

もちろん、マスタリングの本質は音圧を稼ぐことではありませんが、重要なウェイトを占めていることも事実です。

具体的に何をしたか。

はてさて、ここまで音圧についての説明や、音圧調整の意味について説明してきました。ここからは具体的に今回は何をしたかの説明です。

細かい内容や設定地は省きますがざっとこんな感じです。

・ゲイン調整(もともとの音がめちゃめちゃ小さかった為)
・ノイズ除去(安いハンディーだったのかS/N比が非常に悪かった為)
・M/S処理(音像がやや狭く感じた為)
・Sendでのリバブの追加(ややウェット感を足したかった為)
・EQ処理
・コンプ処理
・リミッター処理

ノイズ処理時やM/S処理時に発生した音の印象の変化をEQ処理で調節した後に各種コンプを利用して音圧を稼ぎます。
余談ですが、これらを動画作成用のソフトのみで行うことは不可能だと言う結論になりました。
理由はそもそもVSTをうまく読み込んでくれないことや、リアルタイムにかけられない為です。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回はやや映像よりの記事になってしまったかもしれませんが、通常のミックスやマスタリングにも言えることなので、宅録ミュージシャンにも役立てばと思っております。
今後、ミックスネタ、マスタリングネタの記事を増やしていこうと思います。


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作編曲家、レコーディングエンジニア、ライター
竹中康晃
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